海外情勢

キプロスに銀行強盗が入った模様。なお、犯人はユーログループ。(預金封鎖)

【Market Hack】キプロスが電撃的に預金を封鎖、預金者は10%近い銀行残高を「預金税」という名目で失う事に

 欧州連合(EU)がキプロスの財政危機を解決するため、ドラマチックな措置を発表しました。
それによると次に銀行の窓口が開く火曜日の朝まで、同国の電子的なトランザクションを一切凍結し、預金者の資金を動かせなくしたうえで、10万ユーロ以上の現金を預金している個人や企業には9.9%、それ以下の、小口預金者には6.75%の残高を帳消しにするというものです。

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 名目的にはこれは「預金税」と呼ばれていますが、実質的には銀行の経営危機で預金者の預金が危険にさらされたため、預金者全員が共倒れになるのを避けるため、預金者全員で痛み分けしたというカタチになります。

今回の措置は銀行の乱脈経営のツケを預金者に回したという点で極めて異例です。

欧州連合がその決断を下した理由は、キプロスの銀行の預金の大半はロシアなどから来るオフショア・マネーであり、税金を忌避する投資家をEUの真面目な国民の税金で尻拭いするわけにはいかないという配慮があります。

http://markethack.net/archives/51867091.html



キプロスに銀行口座を持っている方は少ないかと思いますが、FX口座を持っている方は多いと推測します。
もちろん日本とは制度が異なり、キプロスだけではなく、ほとんどの海外FX業者に信託保全はありません。
代わりに分別管理や有名監査法人管理というスタンスで信用を集めている会社が多く存在しますが、これらは投資家にとって何の保証にもなり得ません。



今回の場合、顧客の資金がどこの国のどこの口座にあるかが問題になります。
外資系の銀行もキプロス支店においてはキプロスの政策下に置かれるため、預金封鎖の対象になります。
また、キプロスに本店のある銀行でも口座がギリシヤ支店の場合は預金封鎖の対象にはならない模様です。

以上の点から、FX業者の分別保存先がバークレイズ・BNPパリパ・ソシエテ ジェネラル等の外資系銀行であることが明らかにされている場合でも注意が必要です。

しかしながら、多くのFX業者は、登記やサポートをオフショアであるキプロスにて行いながらも、運営の実態が海外にある場合が多く、一括りにキプロスの業者だから危険ということではありません。
オフショアFX業者は国際金融スキームをよく理解しているはずなので、杞憂に終わればよいのですが。

もっとも、法人税が上がることは確定路線のようなので、サービス低下の可能性は残されます。
今後の入出金が気になるところですが、まずは業者の正式なプレリリースを待つしかないようです。

オレ氏は出金済みですが口座は生かしているため業者にいくつか質問をする所存です。
また何か動きがありましたら記事にしようと思います。

キプロスが法人税引き上げ検討、預金者保護を優先=関係筋

[ニコシア 11日 ロイター] 関係筋によると、キプロスは法人税の引き上げに踏み切る可能性がある。国際支援条件の一環として預金者への損失負担を求める圧力を回避する狙いがあるとみられる。

同国は国際通貨基金(IMF)と欧州連合(EU)に最大170億ユーロの金融支援を求めており、預金者の保護を優先するため、これまで抵抗していた法人税増税に同意する可能性があるという。

http://jp.reuters.com/article/jp_eurocrisis/idJPTYE92A06620130311



キプロスは金融規制の緩いEU圏のオフショアとして人気とお金を集めてきましたが、デフォルト危機でIMF監視下に入り、次は法人税増税も視野に入るとのことで、急速に残念な感じになってます。

近年日本人向けのHPを用意して顧客を獲得しているIronFX
XEMarketsもキプロスの業者であるため、オトナのお金が引き上げてしまったようです。
そのため50~100%の入金ボーナスを謳ってニュースに疎い人たちから小銭を集めている模様。
デフォルトしたらお金戻ってこないのに、よくやるよね。
XEMarketsは数少ない優良業者なので生き残ってほしいものです。
 
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相場歴9年目・国内某ファンドに所属するオレ氏が純度100%のポジトークと相場ネタを繰り広げるブログ。投資は余剰資金で計画的に。