【2月17日 日経ヴェリタス】
国内FX会社の危険な取引慣行

金融先物取引業界の調べによると、顧客からの注文取引のうち80%以上をカバーしている店頭FX会社は昨年10月時点で48社と調査対象の8割近くを占めているのだが、金額ベースでみるとカバー率は全取引額の5割程度に留まることがわかった。

(以下省略)



日本の店頭FXは過当競争が進み、手数料の無料化・スプレッドの縮小が進んできました。かつてはIB契約だった店頭FXもホワイトラベルやプリンシバルの業態が増え、顧客にとってはとてもよい取引環境が整っていると言えます。しかしながら、本来であれば手数料とスプレッドが収入源となる店頭FX業者は競争過多になると食べていけません。ではどうするか。顧客の注文を呑むんです。

インターバンク市場に注文を出さずに顧客の売り注文と買い注文を相殺させる“マリー”だけであれば問題はないのですが、実際は金額ベースで5割しかインターバンクバンクに流していません。
顧客からの注文を受けているのにもかかわらず、そのような事をしているのであれば、相場が大きく動いた時に店頭FX会社側が大きなリスクを負うことになります。なぜそこまでリスクを負ってまで呑み行為をするのか。そこには競争過多の一言では済まない現実があります。

先物市場参加者の95%が1年以内に資金を失い退場するという統計があります。大半の顧客は、“勝つこともあるが、勝ちつづけることはできない”という前提に基づき注文を飲んでいれば、退場するまで顧客がトレードで失った金額の全てが業者のものになります。これが合法なのです。

しかしながら、業者を憎んではいけません。
レイテンシの問題もあるため、完全なNDD(ノンディーリングデスク)を低スプレッドで提供することは不可能なのです。ECNであれば多少のスプレッド縮小が可能かも知れませんが、スケールメリットに依拠するので品質はピンキリです。

まずは国内の高品質の環境で勝ち続けられるよう頑張りましょう。